サクラクトモノクローム

アンケートに真の答えを書くのは難しい

たくさん好きな人がいるものの一つに、簡易的な占いがある
よくある特に何でもないコンテンツ
それみてて始まった妄想

 

 

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近年増えてきたAIによる多数の質問からなる人間性分析や、
ランダム文字列生成はさておき、
軽い心理テストのような占いの結果はだいたい大雑把なもの
例えば診断して「あなたはライオンタイプ!(雄の絵)」等の結果がでたとする

ライオンは動物の王者と言われている二つ名が有名で、
それらしい表現や性格が書かれている
だがライオンをよく調べると実際は持久力なく狩りも下手な大型にゃんこ(可愛い
認知度のせいなのかそういう実際可愛い部分は書かれることは少なく
二つ名らしい当たり障りのない表現なことが多い

その結果が何なのかを何となく知っている人に限るが、
この本物とは違う結果がでているにも関わらず
占いに対して テストした という思考ルーチンを組み込むだけで
結果の説明分に流されライオンという動物を何故か人間の行動的に、
勝手に雄だけのイメージでいい方向に解釈し
「自分はこういう人間だ」と普段から感じている部分が少しでも近ければ
「自分の思っていた通りだ」とか、
勝手に表現されて作り上げたライオンのイメージ像と比べて、
「自分にこういう一面もあるのか」等と、思考のバグが発生しやすくなっている

人のほとんどが普段何も考えてなく反射的に行動し発言しているのに対して
テストやアンケートになると、自己を振り返り物事を論理的に考えてしまい、
考えた結果自分が正しいと思う答えを出してしまう
その答えほとんどが深層心理からくる反射的な行動とは違い、
考えた時の行動や正しいという思い込みとなっている
アンケート系詐欺もだいたい同じ理論


この違いを読み取れなかった失敗が、コンビニドーナツの販売戦略
今じゃ主流になったコンビニコーヒーに続き、
2015年頃のコンビニのレジ横には、ドーナツが沢山あった

別会社の大人気商品ポンデリングを模した商品も展開し、
ミスタードーナツがピンチとまで世間を騒がせたのだが
本家ポンデリングは現在も人気商品のまま、
しかしコンビニの偽ポンデの売上は不調のまま消えてしまった

コーヒーで連想ゲームをしたとき、ドーナツと答える人はそれなりに居る
多くの人が想像するカフェの基本セットメニューでもある
コンビニコーヒーを買う人からのアンケートにも、
ドーナツも食べたいと答える人は多かっただろう
率直にアンケートを受け止め商品展開するのはベストな販売戦略とも安直に考えられるが実際は売れなかった

これはコンビニに向かう客層の深層心理の読み違いに原因があった

一つ
ミスタードナッツに向かうと想像しよう、目的は何のため?
ほとんどがミスドのメニューを食べたい、
もしくはカフェで軽作業をしたいからと想像する
コーヒーを飲むだけにという、それだけの人は少ないだろう
ドーナツを食べたい、もしくはカフェに居座って作業をしたいという気持ちは
水分を欲するような生理現象ではなく、娯楽を求め計画を建てた論理思考からきている

二つ
忙しい朝にコーヒーを買いためどこか向かうと想像しよう
買う理由は、デスクでの飲み物が欲しかったから、毎朝飲んでいるから、等々様々
どこに向かう?
忙しいのでコーヒーが欲しいだけならば気軽に買えるコンビニが楽
ここがコンビニコーヒーが売れた一つの理由


更に余裕を持って外出したという条件と、ドーナツも食べたいと気持ちもある場合はどうか
日本の職場環境で朝からデスクでドーナツを食べれる環境にいる人は少ない
ならば買ってすぐ座って食べられる場所を選択したくなる
だが朝のコンビニのイートインスペースに座る人は少ない
ほとんどが落ち着いて食べられる雰囲気よい照明のカフェに出向いている
それは「余裕を持って外出した」という考えが頭にあるために、
イートインスペースのような照明が明るく人の出入りも多く、
気持ちに余裕の持ちにくい場所は、初めから頭の中の候補にでないのだ
故にコンビニにドーナツが欲しいとアンケートに書いた客層もあまり買い続けてくれなかった
せめてオレンジ照明で店内放送の騒がしくないコンビニだったら、売上も少し変わっていたかもしれない

喉が渇くという、生きていて当然に起こる生理現象から、
飲み物を飲む → それなら好きなコーヒーを、と反射的に選択する人はいる
だがしかしドーナツが食べたいという娯楽を求めた思考は反射ではなく、
どうなのかと自分に向き合い論理的に思考された選択から選ばれている
そのため後回しにしたりと我慢できたりするものだ

特別美味しいともなればコンビニドーナツを選ぶ人も増えるのだが
急遽ドーナツ界に現れた新米にそういうブランドの確立は難しかったのだろう

 

深層心理を読み取るとき、選択しなきゃと身構えると失敗してしまう
それゆれ「診断する」と身構えて行う占いも自然に振る舞う自分とは別の
「自分はこういう人間だ」と考えた時に創造された実際とは不一致の偶像を作ってしまう訳である
コーヒーを飲んだ時に答えるアンケートにドーナツが欲しいと書く人も多く
それをみて定番セットならば売れると見込んで始めたドーナツの販売戦略も、
コンビニに来店する客の「本当にしたいこと」を読み違えて失敗してしまった結果である
アンケートや大衆の意見を鵜呑みにしてしまう選択は、時に誤った選択となりうるのだ

簡単な占いのほとんども、結果を知りたくて手を出しているものではない
それでも結果から得られる満足感の根本には、
ただ誰かと同じことをしたい、
誰かに見てもらいたい・言い当ててもらいたいという行動原理が大きく働いている
特に心の奥底で人間と信頼関係を築きたいと思ってる人や、
その一方で築くことに手間や疲れを感じていたり諦めている人が
簡単な問いに答えるだけでそんな気分になる占いは効果が絶大なのだろう
結果が偶像だとしても「自分はこんな人間だった」とコミュニケーションが苦手であっても、
簡潔に自分の事を知ってもらう手段となり、それでいてまた一つの話題を投げることができるために、
深層心理にある「本当にしたいこと」を同時に2つ満たすことができている
広く好まれているのは、こういう理由があるからだろう


よく成功しているクラウドファウンティングなんかをみても、
生活上で解決したい部分、満たしたい部分をクリアーにするための
想いや発想から着手していて成功しているのがほとんどだ
物事の本質を見抜くことは気持ちのコントロールとも繋がっているため、
せめて自分の深層心理だけは日々見つめ直したいと考えている